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(1)​キッズバレーボール創作について
1 キッズバレーボール創作の始まりについて

 県ヤングバレーボ-ル連盟の中で、サッカーやバスケットボールはキッズがあるのに、なぜバレーボールはないのかとの話があがり、県バレーボール協会指導普及委員長にキッズバレーボールがつくれないかと相談し話し合いました。

 そこで、子どもを持つバレー経験のある母親などから意見を聞いてみると、幼稚園生でもできるバレーボールがないかとの要望が多いことがわかりました。

 また、バレーボール競技者を人口ピラッミドにして考察してみると実業団や家庭婦人を頂点に中学生が一番横に広がった◇(ひし形)に近い人口層だということがわかりました。特に男子バレー人口を増やし、バレー人口の減少をくい止めるためには、◇から、△(三角形)にする必要があります。それには保育園・幼稚園生や小学低学年がバレーボールをできる環境をつくることが必要と考えたのです。

2 委員会の立ち上げ理由と活動内容

 小さい子どもができるバレーボールをつくるためには、今、行われているバレーボールでは幼稚園生などは無理なので、若干違ったものをつくる必要があります。そのためにはいろいろな意見を出し合って考案しなければなりません。そして、その多様な意見をまとめてキッズバレーをつくる準備委員会を立ち上げることにしました。

 

委員会の目的は 

(1)キッズ(4歳児の保育園・幼稚園生~9歳児の小学3年生)が楽しめるキッズバレーボールをつくる。

(2)キッズバレーボールを広げる。

  ・・・です。

 活動内容は、(予備会資料のように) いろんな意見を話し合ったものを実際に複数の幼稚園で試し、その結果を持ち寄り報告してもらい、そして、また、委員会でみんなで検討して改善をしたものを考案して、また複数の幼稚園で試して改善していってよりよいキッズバレーボールを創りあげていくものです。

 それに、魅力があり親しみやすいものにするためや広く社会に認めてもらうためにはシンボルマークやシンボルマスコットなども作ることにしました。

(2)バレーボールの特性

①構造的特性(運動のルール、技術的しくみや構造、作戦などに着目した特性)

Ⅰ:バレーボールは、ネットをはさんで向き合ったチ-ム同士が、3回以内の触球でパスやアタックを有効に活用し、状況判断しながら集団対集団の攻防を繰り返すなかで、相手コートにボールをいかに落とすかを競い合う競技です。また相手とのボールの奪い合いがなく相手チームに邪魔されることがないため、チームの作戦が組み立てやすく、自分たちのチームに適した作戦を立てて練習すれば、短時間の練習でも実践に生かされる。

Ⅱ:ボールにふれる回数が制限されているため、連係プレーが重視される。

Ⅲ:ボールを保持してはいけないため、ボールコントロールが難しく技術の習得に時間がかかる。

②機能的特性(運動を行う者の要求や必要を充足する機能を着目した特性)

Ⅰ:コート内で相手との身体接触が少ないことから、安全性が高く全員にボールが回る機会がありだれでもが楽しめるスポーツである。男女を問わず幅広い年齢の人に愛好されている。また基本技能を身につける、仲間と協力して練習を工夫したり、作戦を立てて勝敗を競い合うその過程において、楽しさや喜びを味あうことができる。

Ⅱ:集団対集団で攻防を展開し、得点を競い合うところに楽しさや喜びを味わうことができる。

Ⅲ:ラリーを続けることができたときは、得失点に関わらす楽しさを感じることができる。チームの特徴や対戦相手に応じて作戦を立て、勝敗を競い合うところに楽しさを味わうことができる。

③効果的特性(運動の身体的効果に着目した特性)

Ⅰ:練習やゲームをとおして個人的技能や集団的技能を高めることができるとともに、巧緻性や敏捷性、瞬発力、調整力、スピードや筋持久力といった体力の向上を図ることができ、自らの責任を果たしたり、お互いに助け合ったりするなどの態度を養うことができる。

Ⅱ:全身的な運動であり、バランスのとれた体力が身につく。

Ⅲ:集団で行われるゲームであるために勝つためには、考える力を養いながら繰り返し基本の反復練習することで「大脳」を最大限に活動させことができる。自分の身体を動かすのは筋肉、筋肉を動かすのは大脳であり、人間が行動するのは、すべて大脳の命令によるものである。

(4)スキャモンの発達曲線からみたキッズバレーボールの有効性

 キッズバレーボールは、4歳~9歳における子ども達のバレーボールを対象にしています。

 4歳~9歳の時期の子ども達はプレ・ゴールデンエイジ(正確には5歳~8歳)とよばれ神経系が著しく発達する時期であります。脳をはじめとして体内にさまざまな神経回路が複雑に張りめぐらされていく大切な時期であることが、右図のスキャモンの発達曲線からわかります。

 そこで、4歳~9歳の子ども達が、巧緻性や敏捷性、瞬発力、調整力、スピードや筋持久力といった総合的な身体能力や体力の向上を図ることできる効果的特性(運動の身体的効果に着目した特性)に優れたキッズバレーボールをすることは、成長期である子ども達にとって大きなプラスの影響を与えるもと考えられます。

(5)保護者から見たバレーボールの人気

 インターネットによる調査において、0~9歳の子どもをもつ親に、子どもにやらせたいスポーツを聞いてみたところ、右表のような結果がでました。

 バレーボールは7位ですが、団体競技では野球、サッカーに次いで3位で親のニーズの高さが結果としてでています。

 熊本県のバレーボールの未来像を想像した場合、限られたデーターからでありますがサッカーやバスケットボールの底辺層人口の比較から、バレーボール人口を拡大していくことが難しい状況にあると思われます。これは少子化からの人口減少が大きな原因でいえますが、私たちはバレーボールの将来の競技者を生み出す底辺基盤の弱さが一原因とした仮説をたてて「キッズバレーボールの創造」への取り組みを始めました。独自のルールにおいての「キッズバレー」は過去には例がなく初めての試みでありますので、特にボールの選定や競技規則作成においては困難な場面が生じることが予想されます。

 つきましては、準備委員会を中心にした取り組みの進行状況を、熊本県バレー協会のホームページをとおして公開いたします。このホームページをご覧いただきお気づきや御意見アドバイスをいただければ、私どもも助かりますし、何よりもよいものができあがることが大切だと思っており、人材をはじめとし物資両面において限られた条件での取り組みでありますので、より多くのご支援をいただければ幸いです。

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